病気と治療の話

MELENA血便(下血)について

血便(下血)とは?

下血は食道・胃・十二指腸の上部消化管のみならず、小腸や大腸などの下部消化管も含めた全領域の消化管から出血した場合に認められ、血便が肛門から排出されることを言います。
一般に上部消化管からの出血はタール便と言われる黒色便となります。下部消化管からの出血は赤黒い・赤い場合が多くなります。新鮮血の出血は痔の可能性が高くなります。

○血便(下血)の原因となる疾患は以下のようなものが考えられます。

  • ●胃潰瘍・胃がん
  • ●大腸がん
  • ●小腸・大腸の憩室出血
  • ●虚血性腸炎、薬剤性腸炎、感染性腸炎
  • ●潰瘍性大腸炎、クローン病
  • ●痔

○検査

上部消化管からの出血が疑われる場合は胃内視鏡検査、下部消化管からの出血が疑われる場合は大腸内視鏡検査を行います。

便潜血反応検査とは?

便潜血反応検査は、大腸がんを発見する為の検査のひとつです。大腸がんの多くは出血を伴うので便に血液が混入します。この検査は便中に混入した目に見えないわずかな血液を検出し、大腸での出血の有無を確認します。

○特徴
・痔などの肛門出血や大腸がん以外の病気(大腸ポリープ・大腸炎など)でも陽性となる場合があります。
・早期の大腸がんでは陰性となることもよくあります。

○1日法と2日法
出血は必ずしも継続的ではない為、2日間便の検査をします。1日でも潜血陽性であれば精密検査が必要です。

便潜血反応陽性の時は、精密検査として大腸内視鏡検査をします。
当院では静脈麻酔を使用し、苦痛の少ない検査をしていますので、お気軽にご相談ください。